爺ちゃまのあちこち見てある記「時代屋」
>>地図
〜焼津市 花沢の里
〔静岡県焼津市花沢地区にある隠れ里、花沢の里〕
静岡県焼津市北部、東名自動車道の日本坂トンネルの近くにある隠れ里。大崩海岸の背後にある日本坂は、『万葉集』にも詠まれた最も古い時代の東海道(やきべつの小径)で、奈良時代には、日本坂峠を越えるルートが東西を結ぶ幹線ルートだった。静岡市側の小坂からハイキングコースになった旧道を使い、日本坂峠を越えて焼津側に下ると、花沢の里があります。炭焼き小屋や水車が復元され、長屋門造りの家並みが軒を連ねる実に絵になる情緒あるれる風景に出会えます。村の家々の前には小さな水路があり見るからに涼しげな風景も一層、山間の村落の魅力となっています。
〔故郷を思い出させる蕎麦の花〕
野も山も空も川も自然が長い冬に備えてそれぞれ違った形で冬篭りの様子を見せています。そんな中、ここ花沢の里には白く可憐な蕎麦の花が厳しい冬の前に群れを成して爺さまを出迎えてくれました。白い花のすぐ下にはまだ緑色した蕎麦の実もちらほら見え隠れしています。ここ花沢の里への道のりは以外にも分かり易く東名高速道「焼津インター」からほんのわずかな時間で辿り着く事ができます。焼津インターを降りて突き当たりを右に曲がります。しばらくすると国道150号線と交差しますのでそこを左折!暫く新幹線沿いに走ると日本坂トンネルが見えてきます。ほんの少し手前に看板がありますからそこを左折!東名高速道の真下をくぐって住宅街を抜けるとそこが花沢の里の入り口になります。
〔沢沿いの小径をのんびり上ると程なく異次元の世界にタイムスリップします〕
住宅街を抜けると景色は愕然と変化し、右左に薄青な山々を見ることができ、なにやらその山の中に吸い込まれそうな雰囲気にもさせてくれそうな山水画の世界に出くわしました。山々はどこまでも蒼く空はどこまでも透き通り、山間の小径は大蛇のごとくうねりながらその山間に消えて行きカメラ片手の爺さまの撮影意欲を怒涛のごとく掻き立ててくれます。左側に広大な駐車場も完備され気兼ねなく愛車「ルポ」を休ませることができました。うっすらと汗ばむ程の天気にも恵まれ、駐車場から始まっている幅数メートルしかない九十九折の小径を地元の野菜などを売っていた朗らかなおばちゃんに見送られて爺さまと婆さまは上り始めました。
〔茶褐色の板塀と風格ある瓦屋根、絵に描いたような古びた民家〕
車がやっと通れそうな程のかなり狭い小径の先には昔ながらの懐かしい景色に出会うことができます。村の中を流れる小川のせせらぎ・・・苔むした古人が積んだと思われる石垣や積石、あまりにも自然に景色に溶け込んでいる石橋。せせらぎの清涼感と苔の緑色、少しだけ色付いた木々の色合いや茶褐色の幹の風合、民家の塀の濃茶色。遠くの青々とした杉山、消えそうなほど薄く見える重なり合う静寂な山々。すべてがここ花沢の里の魅力となって爺さまの目を楽しませてくれました。右に左にと小径は景色を変化させながらやがては村の最後部までつながっていきます。茶褐色を少し濃くした色彩の板壁を左手に見ながら少々息が荒くなりそうな程の傾斜を保って上へと家族ずれやらカップルやらを藍色の世界へ誘います。
〔石の土台と長屋式小民家〕
ほんのりと薄暗い木々が覆いかぶった少し傾斜がきつめの古道を歩き続けると写真のような景色に出会います。 家々はそれぞれに玉石を重ねて築いた土台に載った形で軒を連ねており壁は木造板造り、最上部には真っ白な漆喰で壁を引き立てていて絶妙なコントラストが渋めの情感をより一層興味深いものにしてくれます。 せせらぎは静かな音を奏でて村人の生活の一部になっているようで水、道、家と絶妙な感覚で山間を撫で下ろしているかのようです。
〔地元の特産品を無人販売〕
ここ花沢の里の軒を連ねる民家の壁には地元で取れた季節の野菜や果物などを無人販売しています。 写真はなかでも珍しい壁をくり抜いて作った販売コーナーです。この日は私たちの他に数人の家族連れやカップルがいましたが皆それぞれ片手に野菜やら果物をぶら提げて歩いていたのが印象に残りました。どこに行っても主婦は強しで爺さまの家内もやっぱり片手に野菜をぶら提げていたことはこのサイト上だけの秘密にしておきましょうね。 余談ですが家内に限ってはわざわざ家からみかんを袋ごと持ってきていてこのような光景を見て「失敗した・・・」・・・と思ってのは言うまでもありません(笑)
〔苔むした水車小屋と水車のある風景〕
村の中ほどまで上ると右手に今では珍しい水車小屋が見えてきます。 昔はごうごうと流れていたと思われる水路の水を利用して蕎麦の実を磨り潰したり米をついたりした水車はかなりの大きさで今では乾いて回ってはいないが活躍していた往時を思い出させてくれます。 水車小屋の屋根には長年の年月の経過を語るかのように緑色に苔むして時代の経過をより一層際立たせて語っているかのようです。
〔石垣の上に紫色の花の絨毯・花沢村の全景・・・〕
九十九折に里を登りつめるとそこには法華寺があります。 日本坂峠に面したこの寺は花沢の里を見下ろせる位置にあり昔からこの村を見守ってきたかのようにひっそりと建っていました。 花沢の長屋式建造物が眼下に見え右と左には杉林、家々の庭先には白やら赤、紫などの花々が咲き乱れ四季折々の風情が私たちを迎えてくれます。夕暮れともなりますと左右に山々を抱えている条件にも関係してか見る見るうちに太陽が山の尾根に沈みこんでいきました。この日は夕方には雲が増え一層夕暮れを急がせていたようでした。それにしても庭先の紫の花々は見事です。
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